
敷 島 随 想
「連 載」 第 57 回 ***第6番・その7***
***** 中納言家持ー陸奥での終焉 *****
<参考メモ・歌枕「つぼのいしぶみ」>
新編「国歌大観」(角川書店)(平成二年四月)の索引より「つぼのいしぶみ」を検索しますと
次のような歌人の多くの歌を抽出することができます。
1.西行法師 「山家集 中・雑」「西行法師歌集・雑」「夫木和歌抄第二十五雑部七」
「むつのくの奥ゆかしくぞおもほゆるつぼのいしぶみそとのはまかぜ」
2.慈円僧正 「拾玉集・第四・百首題」
「みちのくの壺の碑行きてみんそれにもかかじただまどへとは」
「拾玉集・第五・副遣歌」
「思ふこといなみちのくのえぞいはぬつぼのいしぶみかきつくさねば」
3.法橋顕昭 「夫木和歌抄巻第二十三雑部五・六百番歌合」「六百番歌合恋部上老恋十六」
「思ひこそちしまのおくを隔てねどえぞかよはさぬつぼのいしぶみ」
4.寂蓮法師 「夫木和歌抄第三十二雑部十四・百首歌」
「みちのおくつぼのいしぶみありときくいづれかこひのさかひなるらん」
5.源頼朝 「源平盛衰記・巻四十六時忠流罪忠快免」
「みちのくの里は遥に遠くとも書き尽くしてぞつぼのいしぶみ」
「十訓抄・鎌倉右大將」「拾玉集・5446」
「みちのくのいはでしのぶはえぞしらぬかきつくしてよつぼのいしぶみ」
6.うたたね 「みちのくの壺の碑かきたえてはるけきなかとなりにけるかな」
7.安嘉門院右衛門佐 「嵯峨の通ひ路」
「おもひやる心のおくはあともなし雪にへだつるつぼのいしぶみ」
8.円勇法師 「新和歌集巻第六離別歌・百首の歌の中に」
「行帰るくもいの雁にことづてむ都は遠きつぼのいしぶみ」
9.雅有 「隣女集巻第四(自文永九年至健治三年)聞恋」
「しら河の関のあなたにありときくつぼのいしぶみいかでふみみん」
10.光吉 「光吉集・後岡屋前関白家にて・隔遠路恋」
「たよりあらばつぼのいしぶみまちみばやしのぶ心のおくのかよひぢ」
11.正徹 「草根集・7540・見書増恋」
「東路に心づくしの文字消えてえぞよみとかぬつぼのいしぶみ」
「草根集・7628・逢後不通恋」
「人は猶心もゆかぬ逢坂をこえてまだみぬつぼのいしぶみ」
12.肖柏 「春夢草・雑歌下・2122」
壺の石文の人、愚が草庵に数年ありし、にはかにわづらひてうせにしかば、
かなしびにたへず
「おきふしになれし人ゆゑみちのくや名さへうらめしつぼの石文」
平成14年2月28日・磯城島綜芸堂・主筆 謹言
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